祖母の着物で繋がる姉妹

私の祖母は早くに夫と死別し、昭和の時代をシングルマザーとして生きました。姑と小姑と同居しながら3人の子供を育てたという苦労人です。家長がいないということで、よそ様から軽んじられたり、貧乏に見えたりしないよう、必死だったと聞きます。母のお弁当にはいつも筋子を入れてくれて、母の友達は「陽子ちゃん(母)の家はお金持ちの家なんだ」と勘違いをするエピソードもありました。朝から田畑に出て働き、子どもたちにお金がかかる頃はその田畑を売ってお金を工面したそうです。晩年は地域の民生委員も務め、皆様から慕われて、コミュニティーで生き生きとしていたようです。おかげで、地元で出前やタクシーを頼むときは町の名前と苗字だけですぐにわかってもらえます。そんな、芯が強くも、町の人と深くかかわりながら生活していた祖母の趣味は着物でした。趣味の着物のおかげで、私も卒業式や結婚式で着物を着るときはほとんど無料で衣装を準備することができました。着物自体も3世代で着まわしをしましたが、今回、その着物をみとびらに寄付してあずま袋にしてもらいました。私もこれから何回着物を着られるかわからなかったので、身近な小物にしてくださり大変感謝しております。妹とは離れて暮らしておりますが、祖母の着物から作った色違いのあずま袋を使うことにより、遠くても心が通じ合う気がします。また、祖母が他界したころはコロナ禍の真最中で、県外の私たちは最期のお別れができなかったので、思いがけない祖母からのプレゼントとして大切に使わせていただこうと思います。着物を小物として持つことにより機能性やオシャレを楽しむアイテムとして重宝しそうです。

妹からあずま袋を使ってみた感想を聞いてみました

 バックの口が広く、入れる物の形を選ばないので、ペットボトルやお菓子等の立体的な物を運ぶのに重宝します。折りたたむと薄くコンパクトになるので、中身が無くなった後も邪魔になりません。また、物を入れた後に取手を結ぶタイプなので取手の長さを調節することができます。 使わなくなった着物の生地を生かしてモダンな小物に蘇らせる発想が良いと思いました。和の雰囲気がありますが、洋服にも意外と良く似合います。2種類の布を縫い合わせた構造で、バックの両面で表情が違うので、その日の服装や気分に合わせて傍目に見える面を変えて持ったりしています。エコバックと風呂敷の良いトコ取りといった感じです。

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